保育士資格の取得を目指している方は、「シンプルに子どもが大好き!」、「子どもの成長に携わりたい」などの想いから取得を目指している方は多いのではないでしょうか。
保育士の主な仕事は子どもの預かりや、身の回りのお世話をすることですが、その他の仕事については意外と知られていないかもしれませんね。
そこで今回は、私たち保育士がどのような1日を過ごしているのか、仕事内容やスケジュールをご紹介していきます!
さらに、これから保育士を目指す方に向けて、習得して損はないスキル、研修も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
保育士の仕事内容とは?
児童福祉法第18条によると、保育士とは「専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」のこと。
つまり、子どもの成長や発達を支えるスペシャリストということになります。
もちろん、働く場所によって仕事内容は異なりますが、基本的に共通している業務は以下の通りです。
01. 子どもたちの身の回りの世話
冒頭でも触れたように、保育士のもっとも大きな役割といえるのが、子どもたちの身の回りの手助けをすることです。
食事、排泄、着替え、睡眠など、保育する子どもは1人でできないことも多くあるため、私たち保育士が必要なことをサポートしていきます。
02. 社会性を身につけさせる
上記を通じて生活習慣を身に付けさせたり、集団生活におけるルールを覚えさせるのも保育士の大切な仕事です。
大人と地域のイベントに参加したり、集団で遊ぶ時間を作ったり、遊びや活動を通じて子どもたちの社会性・自立心を育むサポートを行います。
03. 保護者とのコミュニケーション
子どもを預かり、お世話するのが保育士の仕事ですから、さまざまなツールを活用して保護者とのコミュニケーションを図ることも重要です。
園内での子どもの行動や体調を連絡したり、これまでの知識を活かして子育ての相談に乗ったりすることもあります。
04. イベントの計画立案・実行
遠足、夏祭り、ハロウィン、クリスマス会など、年間を通じて行われるさまざまなイベントの計画、準備、実行も仕事の一つです。
特別感のイベントは、子どもたちにとって良き思い出となるだけでなく、保護者に対して普段の保育を見てもらう絶好の機会にもなります。
幼稚園教諭との違い
同じ子どもを預かる施設であるため、保育士と幼稚園教諭はよく混同されがちですが、中身を紐解いていくと、全く異なる仕事であることがわかります。
では、保育士と幼稚園教諭の仕事内容にはどのような違いがあるのか、わかりやすくリストにまとめました。
保育士 | 幼稚園教諭 | |
目的 | 保育 | 教育 |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
資格 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許状 |
年齢 | 0歳児~小学校就学前 | 満3歳~小学校就学前 |
働く場所 | 保育園 保育所 乳児園 児童養護施設 | 幼稚園(公立・私立) 認定こども園 |
保育士の勤務時間
近年は、女性の社会進出や労働形態の変化などの理由から、保育園で子どもを預かる時間が長くなってきました。
そんな日常の変化を受けて、現在は延長保育や早朝保育を行なうために「シフト制」を採用している保育園が多いです。
シフトは、「早番」「中番」「遅番」と3つの時間帯に分かれるケースが多く、一般的な勤務時間の例は以下のようになります。
- 早番:7時00分~16時00分頃まで
- 中番:8時00分~17時00分頃、9時00分~18時00分頃まで
- 遅番:10時00分~子どもが帰るまで
上記はあくまでシフト制を採用している保育園の一例であり、なかには、決まった時間帯で勤務する固定時間勤務や夜間保育を実施しているところもあります。
保育士になるための資格
前途のリストにも記載したように、保育士になるためには国家資格である「保育士資格」が必要です。
保育士資格を取得するためのルートはいくつかあり、大きく以下の3パターンに分けられます。
- 厚生労働省に指定された保育士の養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業
- 国家資格である保育士試験を受験して合格する
- 最終学歴が高校の場合→2年2,880時間以上、最終学歴が中学の場合→5年7,200時間以上、児童福祉施設における実務経験を積んだのちに、保育士試験に合格する
では、資格がないと保育に関わる仕事はできないの?そう思うかもしれませんが例外もあり、保育士の負担を軽減するためにサポートする「保育補助」という形であれば、保育の現場で活躍することができます。
保育士の1日のスケジュール
仕事内容や勤務時間など基本的なことはわかりました。では、保育士の1日のスケジュールはどうなっているのでしょうか。
ここからは、保育士の1日のスケジュールを紹介します。
もちろん所属園や、担当する園児の年齢によって異なることもありますが、ここでは一般的タイムスケジュールを記載していきますので、これから保育の仕事をしたい考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1日のタイムスケジュール(早番のケース)
7:00 出勤
これから登園してくる園児たちを出迎えるために、少し早く出勤し開演準備をしていきます。
7:30〜9:00 園児登園
園児たちが登園してくるので、保護者の方とコミュニケーションを図りながら、体調のチェックをしていきます。
10:00 朝の会・散歩・自由遊び
朝の会では、園児たちの出欠を確認したり、園によってはお歌を歌うところもあります。
朝の会が終わると通常保育がスタート。計画や天候に合わせて運動や手遊び、工作など、年齢に応じた活動を行います。
11:00〜12:30 昼食
お昼ごろから子どもたちと一緒に昼食の準備を行います。
昼食中は、様子を見ながら安全に楽しく食事ができるよう食育指導を行います。食物アレルギーを持つ子どもも多いため、その注意も怠りません。
13:00 お昼寝
昼食が終わって午後になると、お昼寝タイムがやってきます。
子どもたちが眠ると保育士は休憩時間となりますが、園児から目を離すわけにはいかないので、様子を見ながら連絡帳を書いたり、事務作業を行ったりします。
15:00 おやつ
お昼寝後は、園児たちが大好きなおやつの時間がやってきます。
昼食の時と同じく、様子を見ながら安全に楽しい時間を過ごせるようサポートしていきます。
16:00 自由遊び・帰りの会
帰りの会では、絵本の読み聞かせをしたり、みんなでお歌を歌ったりして過ごします。
この時間帯から保護者のお迎えが始まるので、連絡事項や1日の様子などを伝えます。
16:30 退勤
園児たちが降園したら、片付けや清掃、明日の準備を行い、早番の人はここで退勤となります。
保育園では先生たちの連携が大切ですので、引き継ぎや報告・連絡・相談がある場合は、必ず行いましょう。
保育士として働くメリット
子どもを相手にする仕事だからこそ、保育士という職業にはさまざまなメリット・やりがいがあります。
子どもの成長を見守ることができる
保育士になってよかったともっとも感じる瞬間が、子どもの成長を実感できたときです。
おそらく保育士を目指すほとんどの人が、子どものことが大好きで、子どもたちと関われる職業に就きたいと考える人が多いかと思います。
そんな大好きな子どもと一緒に過ごし、たくさんの笑顔に触れ、成長していく姿を側で見守ることができるのは、保育士冥利に尽きる瞬間といえるでしょう。
資格としての強み
保育士資格は国家資格なので、持っているだけで強みになります。
また、保育士だけでなく、児童養護施設や乳児院、児童家庭支援センターなど、あらゆる仕事に活かすことができるため、非常に安定している職業といえるでしょう。
自身の子育てに役立つ
培った知識や経験を自分自身の子育てに役立てることができる点も、保育士ならではのメリットといえるでしょう。
子育ては、すべてが初めてだらけで苦戦することや辛い思いをすることも多いと思いますが、基礎が身についた状態で子どもと接することができるのは、精神的にも非常に楽です。
また逆も然りで、自身の子育てを経験している保育士は、園内で起こるさまざまな問題に対しても臨機応変に対応することができます。
保育士に必要とされるスキル
前項でも記載したように、保育士の活躍場所に多岐に渡るため、保育士資格以外のスキルを会得しておいて損はありません。
では、どのようなスキルアップを目指せば良いのか、今回は厳選した4つのスキルをピックアップしてみました。
コミュニケーションスキル
保育士は子どもと接するのはもちろん、保護者や他の保育者との連携、信頼関係も重要視されるため、コミュニケーション能力は必要不可欠なスキルです。
コミュニケーション能力を磨くのは難しいと感じる方もいると思いますが、子どもと目線を合わせる、感謝の気持ちを伝える、園内での子どものようすを保護者にしっかり伝える、報連相を怠らないなど、まず身近にできるところから初めてみてはいかがでしょうか。
ピアノ・絵画のスキル
保育の現場では、保育士がピアノを演奏してみんなでお歌を歌ったり、絵本や紙芝居を作る機会も多いため、苦手な方は不安に感じているかもしれません。
結論からいうと、ピアノ伴奏ができなくても、絵が苦手でも保育士資格を取得することはできます。
とはいえ、音楽(ピアノ)、造形(絵画)ともに保育士資格の実技試験の項目の一つになっていますし、スキルを身につけておいて損はないでしょう。
医療の知識
保育者がどれだけ注意を払っていても、遊んでいて子どもが怪我をしてしまったり、病気にかかったりすることは決して珍しくはありません。
看護師ほどの専門的知識を身につけるのは難しいかもしれませんが、緊急時にも落ち着いた対応と応急処置ができる程度の基本的な医療を取得しておくと、現場で重宝されますし、子どもを預ける保護者にも安心感を与えることができます。
防災・安全管理
緊急時の対応という点では、防災・安全管理も身につけておきたいスキルの一つです。
階段一つにしても、大人にとっては当たり前のものかもしれませんが、まだ身体的にも経験的にも未熟な子どもたちにとっては大きなハードルです。
子どもの命を預かる場所として、危険を未然に防止するのはもちろん、地震などの災害時には迅速な対応で安全を確保できる、そんな環境作りが保育士には求められます。
保育士におすすめの研修
最後に、保育士のスキルアップに役立つおすすめの研修をいくつかピックアップしました。
保育士キャリアアップ研修
保育士キャリアアップ研修とは、保育士の待遇向上と専門性強化を目的に、平成29年に厚生労働省が制定した制度です。
保育業務に必要な専門知識を幅広く学べるだけでなく、待遇面の向上や転職や復職する際にも役立ちます。
障がい児保育研修
障がい児の保育利用は年々増えていますが、障がいのある子どもに対して従来の保育が通じず、思い悩む保育士は少なくありません。
障がいに関する基礎知識を学び、向き合い方や指導方法を身につけておけば、配慮しながら成長を促すサポートをすることができるようになります。
食育研修
食育研修では、子どもの健やかな成長に欠かせない食についての知識や指導方法を学びます。
偏食やアレルギー対応といった専門知識を取得できるのはもちろん、保護者に対しても食事面のアドバイスをできるようになります。
リトミック研修
幼児教育におけるリトミックとは、音楽に合わせて体を動かしたり、表現を楽しんだりする活動のこと。
音楽やリズムに触れることで、子どもの想像力や感性を養います。ピアノや歌のスキルを高めたい保育士に人気の研修です。
まとめ
今回は、保育士の1日のスケジュールや仕事内容を中心に、やりがいから必要なスキルまで幅広くご紹介してきました。
保育士=大変というイメージもありますが、子どもが成長していく姿を側で見守ることができるのは、何にも代えがたい喜びがあります。
保育士資格の取得はかんたんではありませんが、子ども好きで関わる仕事に就きたい夢がある方、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
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